「ペリフェラル 〜接続された未来〜 」クロエ・グレース・モレッツ主演のSFドラマの魅力に迫る
最近、好きな映画のカテゴリーであるSFものがないので、今回はテレビのSFものを紹介します。それは「ペリフェラル 〜接続された未来〜」。2022年放送のアメリカのテレビドラマです。
主演はスクリーンでは最近お見かけしないクロエ・グレース・モレッツ。ただ、このSFドラマ、設定は面白いのですが非常にぶっ飛んだ内容で初見だと難解です。それは初めて聞くワードが次々に出てくるからです。
まず、ペリフェラルというタイトルですが、単に英語として意味を調べると「周辺の」という意味などがヒットしますが、この映画での意味は全く違います。簡単に言うとアバターのことです。この意味をわかってないと話についていけません。しかも、そのアバターには男女関係なく乗り移れるのです。
原作はサイバーパンクの始祖と言われるウィリアム・ギブソンの2014年の発表作。ジェームス・キャメロンの「アバター」は2009年なので発想的にはジェームス・キャメロンが先かもしれません。
さらにこのドラマにはマーベルでは当たり前のマルチバース的発想も出てきます。これもどちらが先かはわかりませんが要するにタイムトラベル的発想がもはや古いのかもしれません。
ドラマの概要と大まかなストーリー
「ペリフェラル」は、未来の社会がどのようにテクノロジーによって形作られていくのかを描いたドラマです。舞台は、近未来のアメリカと仮想世界に分かれており、フリン・フィッシャーという若い女性が、兄のためにバーチャルリアリティゲームに参加することで、未来の世界とつながり、次第に巨大な陰謀に巻き込まれていくという展開が特徴です。
内容は、2032年のアメリカと、70年後の2100年のロンドンという、対照的な二つの世界を舞台に展開されます。2032年のアメリカは、経済格差が拡大し、テクノロジーの進化が人々の生活を大きく変えつつある時代。一方、2100年のロンドンは、”ジャックポット”と呼ばれる大災害によって人口が激減し、荒廃した都市へと変貌を遂げています。フリンは、仮想現実を通して2100年の世界にアクセスし、そこで起こる事件に巻き込まれていきます。
静かな田舎町から、仮想現実の未来へ
最初の舞台は、2032年のアメリカの田舎町。ゲームが得意な主人公フリンは、兄バートンから謎のゲームのテストプレイを依頼されます。それは、ただのゲームではなく、70年後の荒廃したロンドンを舞台にした仮想現実シミュレーションでした。フリンは、このシミュレーションを通して、未来で起こる不可解な事件に巻き込まれていきます。
現実と仮想現実の境界線
このSFドラマの魅力の一つは、現実と仮想現実の境界線が曖昧になっている点です。フリンが仮想現実で体験する出来事は、現実世界にも影響を与え、彼女の運命を大きく変えていきます。仮想現実を通じて、フリンは自分自身と向き合い、人間としての成長を遂げていきます。
多層的なストーリーと魅力的なキャラクターたち
「ペリフェラル」は、単なるSFものにとどまらず、陰謀、ミステリー、そして人間ドラマといった要素が複雑に絡み合った多層的なストーリーが展開されます。フリンをはじめ、兄のバートン、幼馴染のコナー、そして未来で出会う様々な人物たちが、それぞれに悩みや葛藤を抱えながら、物語を彩ります。
テクノロジーと人間の共存
本作は、テクノロジーがもたらす未来社会の姿を描き出すだけでなく、テクノロジーと人間の共存という普遍的なテーマを深く掘り下げています。仮想現実技術の発展は、人々に新たな可能性をもたらすと同時に、倫理的な問題も提起します。ドラマは、テクノロジーが人間を支配するのか、それとも人間がテクノロジーを支配するのかという問いを、視聴者に投げかけています。
映像美と斬新な世界観
2100の近未来の都市の映像は目を見張るものがあります。高くそびえ立つ巨大なギリシャの彫像のようなものが異様ですがこれがなんと空気清浄機だというのです。また、自然を美しく描いた映像美も、視聴者を物語の世界へと引き込みます。
主な登場人物
「ペリフェラル 〜接続された未来〜」は、複雑なキャラクターと未来的な世界観が交錯するサイバーパンクなドラマです。以下に、主な登場人物を紹介します。様々な登場人物が出てきますのでとりあえず覚えておくといいかと思います。
- フリン・フィッシャー
- 演: クロエ・グレース・モレッツ
- 物語の主人公で、VRゲームを通じて未来のロンドンと関わることになる。病気の母親の看病をしながら、兄の仕事を手伝っている。
- バートン・フィッシャー
- 演: ジャック・レイナー
- フリンの兄で、元海兵隊員。VRのテストプレイヤーとして仕事をしており、未来の陰謀に巻き込まれます。結構イケイケな兄ですが妹には立場的に弱い印象を受けます。
- ウィルフ・ネザートン
- 演: ゲイリー・カー
- 未来のロンドンでフリンをサポートする神秘的な人物。未来の世界におけるフリンの案内役であり、彼女を助ける。
- アリータ・ウェスト
- 演: シャーロット・ライリー(この女優さんはなんと、トム・ハーディの奥さんだそうです)
- 未来のロンドンでフリンが出会う謎めいた女性でウィルフの義理の姉、リサーチ研究所の生物多様課職員。この女性がこのドラマの影の主役的な役割で、何度もこの名前が出てきます。彼女がフリンをゲームに誘い、物語の展開に大きな影響を与えます。
- コナー・ペンサ
- 演: ルイ・ハーサム
- バートンの親友で、戦争で負傷し障害を負った元兵士。彼もまた、フリンとバートンが関わる未来の戦いに巻き込まれていきます。
これらのキャラクターは、未来と現実の世界で繰り広げられる複雑なストーリーを通じて、互いに交錯しながら物語を進めます。それぞれのキャラクターが物語にどのように影響を与えるのかが、視聴者の興味をそそります。
用語解説
このドラマはとにかく色々な特殊用語が出てきます。それをわかってるのとそうでないとでは理解度が全く変わってきます。私もまだエピソード4までしか見てませんので完璧に理解はしていませんのでご容赦ください。
とにかく、主な用語を解説します。
- ペリフェラル
- ペリフェラルとは、未来の世界における遠隔操作可能なアバターのことです。これは、ユーザーが自分の意識を転送して操作できるロボットのような存在で、未来の体験を現実の身体に負担をかけずに行える装置として描かれています。作中でフリンが使用することで、彼女は未来のロンドンにアクセスします。
- スタブ
- スタブは、未来のテクノロジーによって作られるパラレルワールドの一種で、現実の時間軸とは異なる独立した分岐現実のことです。これらのスタブは、未来の人々が過去に影響を与えるために作られるもので、それぞれのスタブは独自の歴史を歩むことになります。
- リサーチ研究所
- 未来世界に存在する強力な組織で、物語の主要な組織の一つとして描かれます。この研究所は、時間や現実に干渉する技術を持ち、未来と過去の世界を繋ぐ重要な存在です。
- コイド
- コイドは、人間に似た存在ですが、顔の無いロボットです。実は人工的に作られた生命体と思われます。顔の画像を表示したコイドもいる。高度な知能を持ちつつも、主に労働力として利用される存在のようです。
- ジャックポット
- ジャックポットとは未来世界における破滅的な出来事を指す言葉です。これは、地球規模の環境災害や経済崩壊など、複数の危機が同時に発生する一連の災害を指しており、人類の未来に大きな影響を与えたもののようです。
これらの用語は、物語の理解を深めるために重要です。それぞれの要素が、未来と過去が交錯する物語の中でどのように機能しているのかを把握することで、視聴者は物語の世界により没入することができるでしょう。
エピソード4までのストーリー
「ペリフェラル -接続された未来-」のエピソード1から4のストーリーは、サイエンスフィクションとスリラーの要素が融合した物語で、未来のテクノロジーと現実の社会が交錯する複雑なプロットを展開しています。以下に各エピソードの概要を示します。
エピソード1: シュミレーション
物語は、2032年のアメリカ南部に住むフリン・フィッシャーを中心に展開されます。彼女は病気の母親を看護しながら、兄のバートンと共にバーチャルリアリティ(VR)の仕事をこなしています。フリンは新しいVRシステムをテストする仕事を引き受けますが、そこで目にしたものは、現実世界とは異なる非常にリアルな2100年の未来の都市でした。彼女はその体験がただのゲームではなく、未来そのものであることに気づきます。
エピソード2: 思いやりボーナス
フリンは未来のロンドンで目覚め、自分が操作しているのが人間の「ペリフェラル」であることを知ります。彼女は未来の世界で恐ろしい陰謀に巻き込まれ、命の危険にさらされます。一方、現実世界では、彼女と兄は謎の暗殺者に狙われ始めます。
エピソード3: ハプティック・ドリフト
フリンは未来のロンドンで、アルコスティック社という謎の企業についてさらに深く調査を開始します。彼女は未来の同盟者たちと接触し、彼らの目的を探ろうとしますが、彼女の行動はさらなる危険を引き寄せることになります。同時に、現実世界ではフリンの家族が狙われ、彼女は両方の世界で戦うことを余儀なくされます。
エピソード4: ジャックポット
フリンは未来での探査を続け、ついに彼女が関わっているのが単なるゲームではなく、未来のリアルな戦争であることを理解します。彼女は過去と未来の両方で自分の行動がどのように影響を与えるかを悟り始めます。そして、彼女は自分自身と家族を守るため、戦う決意を固めます。
感想と余談
まだエピソード4までしか見てませんがエピソードが進むにつれてアクションも多くなり俄然面白くなります。とにかく、初見だと結構わかりにくいということはある程度覚悟してください。ただSFファンには残念な内容ではありません。とりあえず見応えはあります。
ただ、このテレビドラマ、なんと結論がないままエピソード8で制作が打ち切られたらしいのです。はあ?という感じですが昨年のハリウッドの脚本家のストライキなどで制作継続が困難となり決定されたらしいのです。
そんなことがハリウッドでもあるのだという感じで驚愕の事実を知りました。ただ、エピソード8まででも、とりあえずシーズン1の終わりにはなってるらしいので見応えはあるようです。
その後続きを見ましたら投稿いたします。乞うご期待!