伝説となったポストアポカリプス映画『MAD MAX 2』の魅力解剖

先ごろ公開された「マッドマックス:フュリオサ」のヒットの影響で、今、再評価されている「MAD MAX 2」を鑑賞。40年以上前の作品なのでそれなりのB級感は否めませんが決して古臭い感じはしません。ジョージ・ミラー監督のポストアポカリプス(世紀末)の発想はここから来たというのをまざまざと感じました。実は公開当時も映画館で見ていたのですが流石に40年以上も経つとほとんど忘れてました(笑)
怒りのデスロードでも、フュリオサでもどうしてそういう世界ができてしまったかについてはほとんど語られていませんが「MAD MAX 2」を見ると冒頭で資料映像を用いて語られているのでよくわかります。そういう意味でいうとマッドマックスファンはぜひとも見るべき映画だと思います。

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伝説の戦士 マッドマックスシリーズ第2弾とは

核戦争または世界大戦によって文明が崩壊し、資源を巡る争いが熾烈を極める世紀末。そんな荒廃した世界を舞台に、孤高の戦士マックスが微かな希望を求めてさまよう姿を描いた映画『MAD MAX 2』。1981年に公開された本作は、圧倒的な世界観とビジュアル、息を呑む超改造車のカーアクション、轟く爆音、飛び散る車体、そしてシンプルなストーリーと深いテーマで、世界中の映画ファンを魅了し続け、ポストアポカリプス映画の金字塔として今なお語り継がれています。

この映画は、1979年に公開された『マッドマックス』の続編にあたりますが、前作以上に暴力的な描写と過激なアクションで話題となり、カルト的な人気を獲得しました。また、独特な色彩と構図で描かれる世紀末の風景や、個性的なキャラクターとコスチュームデザインは、まさに唯一無二の世界観で後の映画作品に大きな影響を与えました。映画は、荒廃した未来のオーストラリアを背景に、資源が枯渇し、無法地帯と化した世界でのサバイバルを描いています。

メインストーリー

暴走族との激しい戦いの後、マックスは小さな石油精製所を発見します。そこでは、少数の生存者たちがコミュニティを形成し、暴力的なギャング集団「マローダーズ」からの攻撃に耐えながら生活していました。マローダーズは、狂気のリーダー、ヒューマンガスに率いられており、精製所の石油を常に狙っています。

マックスは当初、自分の安全のために生存者たちと関わることを避けますが、やがて彼らの勇気と結束に感銘を受け、協力することを決意します。生存者たちは、「パイロット」(演: ブルース・スペンス)や、マックスと共に戦うことになります。

クライマックス

物語のクライマックスは、精製所の生存者たちが、タンクローリーに石油を積んで安全な場所へ移動しようとする逃走劇です。マックスはタンクローリーの運転手として、命がけの逃走に挑みます。このシーンは、映画史に残る迫力あるカーチェイスとして知られています。このカーチェイスの進化系がまさにフュリオサに受け継がれてます。

ラスト

激しい戦闘の末、マックスと生存者たちはヒューマンガスの部隊を撃退し、石油を守ることに成功します。しかし、タンクローリーの石油は実は囮であり、真の石油は別の場所に隠されていました。マックスは生存者たちとは別れ、再び孤独な放浪者として荒野を旅します。

魅力① 圧倒的なビジュアルと世界観

『MAD MAX 2』の最大の魅力の一つは、その独自のビジュアルと世界観です。荒廃した砂漠地帯を背景に、ポストアポカリプスの世界をリアルに描写しています。荒涼とした風景、廃墟と化したインフラ、そして奇抜な衣装や車両が、観客をこの荒廃した未来世界へと引き込みます。また、車両やコスチュームのデザインも、独特のクリエイティビティに溢れており、視覚的なインパクトが強いです。特に、タンクローリーを巡る追跡シーンは、アクション映画史に残る名シーンと言えます。

その他にも廃墟となった都市、砂塵舞う荒野、錆びついた車体など、細部までこだわったリアルな描写 独特な色彩と構図で描かれる世紀末の風景。

低い視点や斜めからの構図で、不安感と緊張感を煽る。

オレンジ、赤、青などの原色を効果的に使用し、荒涼とした世界観を強調など監督の細かい演出が光ってます。

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魅力② ダイナミックなアクションシーン

『MAD MAX 2』は、実際のスタントを用いた迫力満点のアクションシーンが特徴です。CGに頼らず、実際の爆発や衝突シーンが撮影されており、そのリアリティが当時の観客を圧倒しました。
特に終盤のタンクローリーの追跡シーンは、緊張感とスピード感に溢れ、観る者を釘付けにします。ジョージ・ミラー監督の卓越した演出により、手に汗握るアクションが展開されます。

当時としては画期的だったスタントテクニック

本物の車を使った迫力満点のカーチェイスは必見で、砂塵舞う荒野を疾走するインターセプターと追跡するウォーボーイたちのカーチェイス。バイクを使ったスタントや、車同士の激しい衝突など、観客を圧倒するシーンの連続です。

迫力満点のカーバトル

火炎放射器やショットガンなど、車に搭載された様々な武器を使った戦闘。容赦ない暴力描写と派手な爆破シーンで、観客を興奮させます。

車両の改造やカスタマイズによる独創性

 主人公マックスの愛車インターセプターは高性能なエンジン、武装、防弾ガラスなど、荒廃した世界を生き抜くために改造された車に前作より変化しています。
 また、敵対するヒューマンガスやウォーボーイたちの奇抜な改造車。動物の頭部やスパイクなどを取り付けた車など、個性を表現した改造には目を見張るものがあります。

魅力③ 特徴あるキャラクターとテーマ

マックス・ロカタンスキーは、単なるヒーローではなく、内面に葛藤を抱える複雑なキャラクターです。彼の孤独と苦悩が描かれ、観客は彼の人間らしい一面に共感します。『MAD MAX 2』では、生存のための個人的な戦いから、コミュニティを守るための戦いへとテーマが拡大します。このテーマは、ポストアポカリプスという背景において、より一層の緊張感と深みを与えています。

また、悪役ヒューマンガスやその他のヴィランたちも、独特なデザインと個性的なキャラクターで、映画の魅力を一層引き立てています。それとマックス以外のキャラが立っているのがさすが現代の名監督という感じがします。飛び道具のブーメランを持つフェラル・キッドや犬のオーストラリアン・キャトル・ドッグ、オート・ジャイロを操るジャイロ・キャプテンなど誰一人として過不足ない配役です。B級映画にしては際立ったキャラの登場人物が特徴の映画です。

『MAD MAX』と『MAD MAX 2』の違いについて

『MAD MAX』と『MAD MAX 2』は、ジョージ・ミラー監督によるポストアポカリプス映画シリーズの中で、それぞれ異なる魅力とアプローチを持っています。主演は同じでもはっきり言って別物です。以下に、両作品の主な違いについて詳しく説明します。

MADMAX
①ストーリーと設定の違い

『MAD MAX』

設定: 近未来のオーストラリア、社会がまだ完全には崩壊していない時代。法と秩序がまだ存在し、警察と暴走族の抗争が描かれてます。

ストーリー: 主人公のマックス・ロカタンスキーは、暴走族に家族を殺された警察官で、復讐のために暴走族を追い詰めます。個人的な復讐劇が話の中心です。

『MAD MAX 2』

設定: 完全に崩壊した後の世界。文明がほぼ消滅し、荒廃した砂漠が舞台となります。

ストーリー: 燃料を巡る争いが主要テーマとなり、マックスはガソリンを守るために戦うコミュニティを助けることになります。個人の復讐から、ある意味コミュニティを守る戦いへとテーマが広がります。

②キャラクターの進化〜マックス・ロカタンスキー

『MAD MAX』

まだ警察官としての職務意識を持ち、家族を失ったことで暴走族への復讐心に燃える人物。

『MAD MAX 2』

より孤独でニヒルな存在に変化。文明崩壊後の過酷な世界で生き延びるためのサバイバーとしての一面が強調されます。個人の復讐から、他者を助ける英雄的な役割へと少し変化しています。

③映像とアクションのスタイル

『MAD MAX』

映像: 比較的現実的で、限られた予算の中での撮影。オーストラリアの田舎道や都市部が舞台。

アクション: バイクチェイスやカーアクションが中心で比較的スケールが小さい。

『MAD MAX 2』

映像: 広大な砂漠を背景に、よりスケールが大きく、壮大なビジュアルが特徴。

アクション: よりダイナミックで派手なカーアクション、スタントシーンが多数。特にラストのタンクローリーの追跡シーンは圧巻です。

映画こぼれ話と感想

実は主演を除く出演者が2017年のファンイベントに来日しています。来日したのはジャイロ・キャプテン役のブルース・スペンス、女戦士役のヴァージニア・ヘイ、フェラル・キッド(野生児)役のエミル・ミンティが初来日。日本のファンから熱烈な歓迎を受けたそうです。

その時の貴重なインタビューによるとミラー監督はメル・ギブソンとブルース・スペンスに2つの映画を観るように言ったそうです。1つは『シェーン』、もう1つは黒澤明監督の『用心棒』。確かにその要素が感じられるような気がします。いかに黒澤監督が世界的に偉大な監督かがこの話からもわかります。
また、マックスの相棒である犬が車を怖がるからエンジンをかけずに撮る必要があったそうです。なので映画を見ればわかりますが車の中の犬はほとんどがヨリ画(犬だけを撮ってる)なので車を動かさないで撮ったか、別のトラックに車ごと乗せて撮ったのだと思います。動物の撮影はとにかく大変です。

私はテレビの画面で見ましたがスクリーンでみればそれなりに迫力を味わえる映画です。ただ、不満を言うとサウンドトラックがTV番組を見てるような安っぽい音楽のように感じました。初期のMAD MAXはそもそもB級映画なので仕方ないといえば仕方ないですが・・

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